ホームセキュリティ会社の選び方ポイント

ホームセキュリティ会社の選び方ポイント

ホームセキュリティ会社には上場している大手から地域密着の中小警備会社、さらには事業を始めたばかりのベンチャー警備会社まで多数あります。
警察庁生活安全局の統計に拠れば、警備業法第4条に基づく認定業者のうち、ホームセキュリティを扱う「機械警備」は平成28年末現在、全国で約650社。これらの全てが一般消費者向けのホームセキュリティを扱っている訳ではありませんが、それでもかなりの数です。

ホームセキュリティとは、自宅に防犯センサーや防犯カメラを設置し、リビングなどにはホームコントローラーを設置、何か異常事態があった時には緊急ボタンから通報することで最寄りのガードマンが駆けつけるシステムです。
これらを導入するには、工事費などの初期費用、月額のサービス料、レンタルの場合は保証金(解約時に返却される場合が多数)、買い取りの場合は機械買い取り費用がかかります。

月額費用は10,000円を超えるのが当然だった一昔前より大幅に安くなっていますが、それでも月々数千円の支払いが発生することには違いありません。

また契約と同時に、自宅の間取りや住宅環境などを明らかにした上で、いざという時に警備会社から家族の安全と生命を守ってもらう、とても重要なサービスなのです。

そのためホームセキュリティ会社を選ぶにあたっては、「自宅にDMチラシが入っていたので」とか「訪問営業でセキュリティを進められたので」などの安易な理由で比較せずに決めてしまうのはおすすめ出来ません。(おすすめ出来ないというより止めた方がいいでしょう)

ここではさまざまな角度、ポイントからホームセキュリティ会社の選び方をアドバイスいたします。ぜひ参考にしてください。

その1 緊急発進拠点が自宅からなるべく近いところを選ぶ

「緊急発進拠点」とは、各社によって呼称はまちまちですが、要は何かあった時のためにガードマンが待機している場所です。この「緊急発進拠点」が自宅から遠いと、駆けつけるまで時間がかかってしまいます。
不審者が侵入してきて、緊急ボタンを押して、ガードマンが駆けつけるまで1時間!などということになると、何のためのホームセキュリティなのかわからなくなってしまいます。
もっとも日本では警備業法によって「基地局が盗難等の事故発生を受信してから25分以内に現場に警備員を到着させることができるように行わなければならない」ことが定められていますので、ここまで極端な例は無いにせよ、それでも「緊急発進拠点」は自宅から1kmでも近いに越したことはありません。

ただこの「緊急発進拠点」は支店や営業所と異なり、各社とも防犯上の理由からオープンにはしていません。不審者に拠点の場所を知られてしまっては意味がないからです。そのため見積り時に各担当者から「最寄りの緊急拠点はどこにあるのか?」を口頭で確認する必要があります。

ホームセキュリティ会社を選ぶポイントは「なるべく1kmでも自宅の近くに拠点がある会社を選ぶ」です。

その2 緊急発進拠点の数が多い会社を選ぶ

次に選び方のポイントその2は、「緊急発進拠点の数が多い会社を選ぶ」です。
これはその1の「自宅に近い会社」と似ていますが、「最寄りの緊急拠点」は担当者に聞かないと教えてくれませんので、その前段で会社を絞り込むのに有効な手段です。
緊急発進拠点の数が多ければ、おのずと自宅の近くにある可能性も高くなりますし、何より警備会社としての力量とでもいうのでしょうか、会社の事業規模や機械警備への取り組み状況、財務基盤などをおおまかに掴むことができます。緊急発進拠点を設置するには事務所の家賃もかかりますし、そこに配備する警備員も多く雇用しなければなりません。何よりお客さん(契約者)の数が多くないと、ビジネスとして成り立たないのです。

余談ですが、宅配便で日本最大のヤマト運輸は、拠点を細かく、1市に4箇所も5箇所も設置し、配達員の集荷や配達エリアなど行動範囲を狭くしていくことで、業界随一の早く、確実に届けることができる仕組みを作り上げました。よほどの資本とお客様の数が多くないとできないことなのです。

同様にホームセキュリティ警備会社も緊急発進拠点の数が多いことで、ガードマンの移動距離を短くし、より迅速に、かつ無駄な動き無く、現場に急行できるのです。これは一朝一夕にして構築できるものではありません。

緊急発進拠点の数が多い会社はどこか。日本における緊急発進拠点の数が多い会社の業界NO.1は「セコムSECOM」の全国約2,800ヵ所(※2017年9月30日時点)」です。
さすが日本最初の警備保障会社として創業しているだけあります。
業界NO.2は近年個人向け機械警備にて成長著しい「アルソックALSOK」で全国約2,400ヵ所が設置されています。セコムの場合、約2,800ヵ所ということは、単純計算で1都道府県に56箇所設置されていることになります。もちろん実際は人口密度や契約者住所に基づいて、臨機応変に設置と統合をおこなっていると想像されますが、いずれにしても相当な数であることには違いありません。

各社の緊急発動拠点数

1位セコムSECOM  全国約2,800ヵ所
2位アルソックALSOK 全国約2,400ヵ所
セントラル警備 CSL全国提携含
関電SOS  非公開
全日警  非公開
※比較グラフは、2018年2月の各社情報をもとに比較グッド編集部が作成したもの

なお上記には載せていませんが、首都圏の東急沿線における「東急セキュリティ」、関西における「関電SOS」など、営業エリア(警備エリア)を自社の得意な地域に絞り込むことで、効果をあげているエリア限定型のホームセキュリティ会社もあります。例えば「東急セキュリティ」などは同社情報によれば、半径2.5kmに1箇所の待機所を設置し、ガードマンが5分~10分程度で到着できるようにしているそうです。評判も良いようですし、これらの会社も狙い目ですね。

その3 契約者数の多い会社を選ぶ

これは各ホームセキュリティ会社の実力が表れる数字です。新聞でいえば販売部数(購読者数)、レストランでいえば来店者数に当たる部分で、当該業界における実力度、人気度、知名度などのバロメーターといえるでしょう。
安かろう悪かろうで強引に契約者数を伸ばしても、何らかの不祥事を起こしたり、低品質のサービスを提供していれば、信用は失墜し、お客さんは離れていきます。ましてや警備業界の場合は契約者の安全の確保、迅速な対応など人命に直接関わってくる部分を担っていますので、適当なことが許されるはずがありません。
そういった意味でこの契約者数の多い会社というのは、検討する上で、わかりやすい指標だといえます。

契約者数の多い会社はどこか。日本におけるホームセキュリティの契約者数(個人+法人)が多い会社の業界NO.1は「セコムSECOM」の227万件(※2017年9月30日時点)」です。緊急拠点同様、業界で一位を取得しています。
業界NO.2は「アルソックALSOK」で約89万件でした。アルソックALSOKは近年、オリンピック出場を狙うスポーツ選手を自社で雇用し、会社全体でさまざまなイメージアップを図っており、その甲斐もあって、個人向け契約者数もまだまだセコムには及ばないものの、急追しているといわれています。

実際、当サイトの「ホームセキュリティ導入体験談」での利用者のアンケート調査をみても、「セコムSECOM」と「アルソックALSOK」は2大セキュリティ会社は、比較対象に入れたと答える人が数多く見られました。

各社の機械警備 契約者数ランキング(個人・法人合算)

1位セコムSECOM  約227万件
2位アルソックALSOK 約89万件
3位セントラル警備  約11万件
全日警  非公開
関電SOS 個人のみ約4万件
※比較グラフは、2018年2月の各社情報をもとに比較グッド編集部が作成したもの

その4 サービス料金の安い会社を選ぶ

月額費用は少しでも抑えたい。これは誰しも思うことです。ホームセキュリティの料金もひと頃に比べれば、各社の競争原理が働いたり、ITの普及での効率化、最新鋭機器の開発などで、下がってきてはいるものの、最低でも月額数千円はかかります。(自宅の広さ、センサーの取付数、オプション追加によっても異なります)

ホームセキュリティの導入をする人の理由で、多くの人は「家族の安全を守りたい、安心を手に入れたい」を挙げていますので、月額数千円でそれらが得られるのは必要経費だと思う人もいるでしょうし、何かあった時の保険代わりに導入するので少しでも安く抑えたいという人もいるでしょう。

前述いたしましたが、ホームセキュリティを導入するには、工事費などの初期費用、月額のサービス料、レンタルの場合は保証金(解約時に返却される場合が多数)、買い取りの場合は機械買い取り費用がかかります。
以前は各社とも文言や契約内容がバラバラで価格が比較しずらかったのですが、近年は比較的項目が統一されてきていますので、多少はわかりやすくなってきました。

ホームセキュリティサービスは、ある意味、数の原理が働くビジネスなので、契約者数が多いと費用を抑えることができます。その意味では近年のホームセキュリティの導入者増加は、私たちにとって良い動向なのかもしれません。

料金の安い会社はどこか。これは各社ともプランに含まれる内容が異なっており、単純な比較が難しいのですが、やはり安い傾向にあるのは業界において追い掛けている立場の会社が目に付きます。たとえば全日警のホームセキュリティ「ハッピーガード」や関西であれば関電SOSなどでしょうか。首都圏で東急線沿線にお住まいの方であれば、東急セキュリティも良いかもしれません。特に全日警は余分なコストを抑えて、月額料金を安く打ち出しています。

余談ですが、現在膨大な利益でこの世の春を謳歌している、携帯電話業界では、以前ソフトバンクがボーダフォンから経営権を買い取り、新規参入を果たした時に、契約者数を増やすためにNTTドコモやAUに対して価格競争を仕掛けたことがありました。このように常に追い掛ける側の立場の会社は、リーズナブルな値段をダイナミックに提供することで、契約者数を増やしていく傾向があります。そう考えると業界1位、2位では無い会社も検討することがポイントだといえます。

ただ初期のソフトバンクが繋がりにくい、サポートセンターが良くない、という声があがったように、値段のみの勝負で契約者数を伸ばしている会社はどこかにひずみが出てくるのも事実です。(現在のソフトバンクはそのようなことはありませんが)。特にホームセキュリティサービスは、いくら安くても、ガードマンが駆けつけるのに30分も1時間もかかるようでは、私たちにとっては命取りになってしまいます。この辺りは、事前にはなかなか調べにくい部分なのでネットでの評判や知人のクチコミなどを参考に判断していくしかないでしょう。

その5 評判の良い会社を選ぶ

これも重要なポイントです。どうせ契約するなら評判の良い会社に頼みたいと思うはず。

ホームセキュリティサービスは現在、新築住宅での住宅用火災警報器の設置義務のように導入の後押しとなる事例は出て来てはいますが、防犯センサーやガードマン駆けつけサービスとなると、例えば大半の家庭が所有している携帯電話の普及率のように一般的ではありません。そのために、評判の良い会社から決定するというのが比較的難しいのです。

わかりやすいところではTVのCMでしょうか。長嶋茂雄さんのセコム、オリンピック選手が出演するアルソック、先頃無くなった星野仙一さんがイメージキャラクターのCSPセントラル警備保障などは株式上場企業で、評判の良い会社だといえます。

あとは友人知人で導入している人に尋ねたり、勤務先で導入しているホームセキュリティを細かくチェックしてみたりなどの方法もおすすめです。

手前味噌ですが、当サイトの「みんなのホームセキュリティ導入体験談」は、個人向け(家庭向け)ホームセキュリティを導入したことのある人、または以前導入していた人(最終的に1,000名予定)に、「警備会社の個人向けホームセキュリティを導入したきっかけ」「その警備会社に決めた理由」「見積比較をしたかどうか」「防犯センサーが鳴ったこと、緊急ボタンを押してガードマンを呼んだことはあるかどうか」「実際に契約してみてどうか、現在も利用しているか」についてアンケート調査をおこなっています。現在はまだ掲載数がそれほど多くありませんが、アンケート調査は定期的におこなっており、最終的には1,000名近くの方の調査データを載せる予定です。ぜひ一度目を通してみてください。

その6 会社の大きさ、売上高、従業員数、知名度で選ぶ

6番目は会社の大きさ、売上高、従業員数、知名度で選ぶです。何やら就職活動のような感じにも思えますが、自分が契約しようとしている会社が業界でだいたいどれ位の規模なのか、従業員は全体で何人いるのか、知名度は高いのか低いのかを理解しておくに越したことはありません。

もっとも会社の規模は大体これまでにご説明した、拠点数や契約者数と比例するものなので、セコムが業界で一番となっていますが、最後にぜひご覧下さい。

最後に

これらのデータを見てもわかるように、ホームセキュリティ会社は全体では600社以上ありますが、実際に利用しているのはどこかとなると、せいぜい10社程度ではないでしょうか。
中でも圧倒的な知名度と契約者数、拠点数を誇るのが、セコムSECOM、次いで近年個人向けホームセキュリティ市場で躍進中のアルソックALSOK、その後はCSPセントラル警備保障、全日警、あとは首都圏東急線沿線なら東急セキュリティ、関西なら関電SOSなどが挙げられます。

その他にもみなさんのお住まいの地域には、地元に根差したセキュリティ会社が個人家庭向け分野に進出している例もあるかもしれませんが、個人の家庭向けのきめ細かな対応と、最新鋭のシステム管理、さらには総合的なサービスを提供できる会社となると、限られてくるでしょう。

これらの会社の中から、自宅にもっとも近い緊急拠点を持つ会社、値段の折り合いのつく会社、友人知人が導入していておすすめしている会社などを2、3ピックアップして、まずはコンタクトを取ってみましょう。